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▼ MC型とかMM型とかいった従来の分類は、カートリ ッジの本質的なポイントで分けるには不十分です。カー トリッジは、あってはならない鉄もゴムも使わないディス ク・カッターと同等のメカニズムの、サテンの《純粋形 式》とサテン以外のすべての形式、この二つに分けられ ます。この純粋カートリッジを実現できるのはサテンの スパイラル・ムービンクコイル形式だけです。 ▼ スパイラル・コイル形式とは、鉄芯を使わずに渦巻 形に巻かれた偏平なコイルを、せまい磁極間隙にそう入 することによって、あってはならない発電素子の歪をも つことなく、またトランスの歪や雑音を含まずに、高品 位の音質を高出力をもって供給できるユニークな形式で す。またこの形式は、聴感上もっとも有害な歪発生の巣 窟となるため有ってはならない《制動とバネとを安易に兼 るゴム》を追放し得る唯一の形式です。そしてそれは発 電コイルの振動速度に完全に比例する電磁力による制動 と、やはり振動速度に比例したグリースによる制動を補 | 助的にのみ使用し、バネは精緻を極めるベリリウム金属 のパンタグラフ・バネ機構として完全に独立させた、最 も理想的な制動のメカニズムを可能にする形式なのです。 ▼ M−15はこの純粋形式を世界ではじめて完成したカ ートリッジであり、サテンMシリーズの最高級製品でも あります。M−15をお聴きになれば、従来ゴムが如何に 音楽を汚し、大ざっぱにしか再生していなかったがおわ かりいただけます。▼ タイプLは、レコードのやわら かい盤質の欠点を補うために、振動マスをさらに1/3に軽 量化したもので、その効果はさすがにすばらしく、アン プの入力感度に余裕があれば、M−15Lが最高です。 ▼ M−15は、将来スピーカー、アンプ、アームなどが 進歩するたびに、改めて見なおされるだけの大きな真価 が秘められており、ソースの音楽性に応じて装置のまと もさに比例して、音楽の喜びをはかり知れないほど大き いものにします。M−15は、これを十分に使いこなす自 信をお持ちのあなたにお届けするカートリッジです。 | ||||||||||||||||||||||||||||
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ヘッドフォン近代博物館-別館様の M-15 で内部構造図と発電部分の図が見られます(内部構造図は M-14 のボディーですが…). 「発売 1970年1月」とされていますが,「ラジオ技術」69 年 12 月号(11 月発売)に「新製品」として広告が載っています. 塚本社長のインタビューと,M-117 発売時の「電気店」11 月号に掲載されているサテン音響名義の解説では 70 年となっています. | |||||||||||||||||||||||||||||
ヘッドフォン近代博物館-別館様の New M-11. 内部構造図が見られ,本体の画像は針ホルダーのグリップも黒で,交換針は N11-N5, N11-NE となっています. その頃のカタログ. 下図のグリップが白い針は新型針 N11-5S, N11-ES と思われます. サテン | the re:View (in the past) でも「STEREO」70.12 の広告では黒,「STEREO」72.12 の広告では白です. なお,M-11 の交換針は M11-N5, M11-NE で,New M-11 の旧型針とも異なるようです. ちなみに,New M-11 は「STEREO」70.5 の広告で新製品,M-11/E は「Swing Journal」67.11 の広告で新製品となっています. | |||||||||||||||||||||||||||||
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音楽の心にふれる… New M−11 純粋カートリッジだから 音楽を 純粋に お届けします | |||||||||||||||||||||||||||||
▼ 新らたに針のカンチレバーが解明され、カンチレバ ーで発生する《音色雑音歪》を一次元高く極小化させる 新しい技術によって生まれたN11−5S、N11−ES(M− 15ではM15−5S、M15−ES)がスタイラスとして装着 されています。サテンでは、硬いたけでQが高すぎるチ タン・パイプについては、世界ではじめてすでに1967年 にM8で卒業し、現在チタンより数段進歩しています。 これを旧型の針と聴き比べると、知っているはずの私た ち自身でさえ、これが針だけを変えた同一のカートリッ ジとはどうしても信じられない位、音質の向上におどろ きます。旧型をお使いの方は、針の交換時期などに5S 又はESを装着するだけで、ゴムなしカートリッジに秘め られていた真価をあらためて再発見することができます。 New M−11のカートリッジそのものは如何に完成されて いたかがおわかりいただけます。 ▼ カートリッジのメカニズムは基本的にはM−15と同 じで、ディスク・カッターがレコード上に記録したすべ | ての情報を、それと同じメカニズムをもってとり出しま す。左右両チャンネルのコイルは、直角方向に全く別々 に分離しており、信号方向には極めて動きやすく逆の直 角方向にはほとんど全く動くことのない振動伝達子・パ ンタグラフ型バネ機構に連結されています。一方、カン チレバーの振動支点は厳密に一点に集約され固定されて いるので、これらが相まって20KHzを超える超高域でも なお−20dBをこえる抜群のクロストーク特性を得ていま す。また、このバネ機構は、針先をつねにレコード溝に 密着させてトレースさせる働きをもち、大振巾でのビリ つきに圧倒的な強味を発揮するのはもちろんのことレコ ードの平均レベルより−60dBにもなる微小振巾波を正確 にトレースすることができます。他では聴くことのでき ない豊かで清澄なサテンの音質は、この微小波までもピ ックアップすることに基いており、普通のカートリッジ のもついわゆる固有の音色のちがいは、この微小波のと りこぼし方のパターンのちがいによるものです。 | ||||||||||||||||||||||||||||
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