サテンカートリッジは　発電素子であるスパイラルコ
イルが互に直角に全く別の方向にわけてあり　しかも
信号の方向には極めて動きやすく　かつ逆の直角方向
には殆んど全く動かないパンタグラフ状のバネ機構に
連結されており　その上それらは　世界随一といわれ
てきたサテン工作精度を１０倍も引き上げる厳密さに
支えられて組立てられています。もちろん　振動系の
中心は　厳密・明確に一点に集約されて固定されてい
ます。このユニークなメカニズムをもつ振動系とバネ
機構が　レコード溝へ針先を常に密着させ　波の《微
細構造》を格段に忠実・正確にピックアップするだけ
でなく　４チャンネル・ステレオ再生に必要な　超音
波域でもなお−２５ｄＢ以上の　歪の少ないクロスト
ーク特性を保証しています。現在のほとんどすべての
ＭＭ型・ＩＭ型のように左右の発電素子が一体となっ
ていてしかもゴムでくるんで支持される振動系の動き
のあいまいなタイプでは　とうていこれは望めません。

　Ｎew  Ｍ−11は　従来のＭ−11の改良品ではなく　全く別種の新しいカートリッジです。ゴムを用いな
い全く新しい制動の技術によって　一切の機械的な濁り　再生のもどかしさを去って　音楽の心に触れる
再生をします。………しかしそれだけではありません…… Ｎew Ｍ−11こそはまさに ４チャンネル ステ
レオ時代になくてはならぬカートリッジなのです。というのも　４チャンネル再生では　カートリッジの
再生周波数帯域の広さだけでは全く無意味であり　カートリッジのクロストークが　20ＫＨｚ以上の超音
波域まで均一に非常に小さく　そしてその波形歪が極小であることが　絶対・不可欠の条件だからです。

針先半径　　　　　　０．５ミル（円針）　０．２×０．８ミル（楕円針）
出力電圧　　　　　　４．５ｍＶ±２ｄＢ　５０ mm ／ sec Ｒ．Ｍ．Ｓ．
周波数範囲　　　　　10Ｈｚ〜25ＫＨｚ
クロストーク　　　　15ＫＨｚまで　−３５ｄＢ
インピーダンス　　　10Ｈｚ〜25ＫＨｚにて　ほぼ純抵抗で50Ω
負荷インピーダンス　20Ω〜100ＫΩ（この範囲でのＦ特性の変化殆ん
コンプライアンス　　20×10−6 cm ／ dyne　　　　　　　　　どなし）
針　　圧　　　　　　０．８〜３．０g　最適範囲１．０〜２．０g

　　三角形スパイラル・コイルによる発電方式はもちろん一貫して
受け継いでいます。アルミリボン線を使用した　この独創的な発電
機構は　振動質量が圧倒的に小さく　抜群の過渡特性・クロストー
ク特性・トレース能力を保証しながら　しかも 4.5ｍＶという高出
力を供給します。純粋ＭＣ型では他の数倍 〜 数10倍にもなるこの
高出力が　ヘッドアンプ等による音質の低下をふせぎ　又種々の

　誘導雑音やアンプの音色雑音から　極めて微細なレ
ベルまで　再生音の品質を守ります。もちろんカート
リッジの磁性材歪は皆無です。更に又上述のゴムの非
直線歪を皆無にすることによって　今までの経験を絶
する　高品位の音質をお届けすることができます。
　　真の最高級カートリッジは　卓抜たる音質だけで
なく　高出力・使いやすさ・丈夫さなどを兼備してい
るべきです。ＮewＭ−11は　新しい制動方式にともな
って　振動部分のすべてに新たな工夫がなされ　保護
機構も一段と合理化・強化されて　機械強度でも他の
追従を許さぬカートリッジとなりました。音質・出力
堅牢さ・使いやすさ…これらをＮewＭ−11はすべて完
備しています。ＭＣ型で針先だけを簡単に取り換える
ことができるのもサテンだけです。