日本語 TeX を Mac OS 9 で少しでも快適に使う(難点の多い xdvi の代用,そして備忘録)

xdvi は画像が表示できない,ページを超えたスクロールができない,ズームの操作性が悪い,などの難点が多々あります.そこで,xdvi は使わず,dvipsk を使って
  1. PostScript ファイルを作成
  2. それを MacGSView で PDF に変換
すると,Acrobat Reader で読めるので,上記の難点は解消します(とは言うものの,原稿を修正するたびに作成・変換をいちいちやってられませんが…).さらに,TeX Shell で快適に作業ができます.TeX Shell の Print パレットには dvipsk をセット(Typeset には platex をセット)し,ボタンのカスタマイズ(www.mis.hiroshima-u.ac.jp/~sumi/j/mac/ctec.html にありましたが… "TeX Shell Prefs" の "pDef" resource に追加する)でパレットを追加して MacGSView((target).ps)と Acrobat Reader((target).pdf)を登録すると便利です.(それでも,文書作成中の確認・修正時にいちいち以下のような変換をするのは手間なので xdvi は必須となりますが…)

まず,dvipsk で PostScript ファイルを作成するには

  1. TeX Shell で Print をクリック
  2. 現れたダイアログで,Resolution を xdvi の解像度の設定と同じ dpi にする
  3. File ラジオボタン(EPSF はチェックなし)をクリック
  4. 現れたファイル・ダイアログで,PostScript ファイルの保存先を選ぶ
  5. OK ボタン
この PostScript ファイルは MacGSView で直接(PDF に変換することなく)見ることができ,画像も表示されますが,ページを超えたスクロールはできません.PDF に変換するには,MacGSView で
  1. File メニューの Covert コマンドを使って,変換したいファイルを選ぶ
  2. 次に現れるファイル・ダイアログで,Convert To: ポップアップメニューより PDF を選び,
  3. 変換したファイルを保存するフォルダを選ぶ
  4. 次に現れる Export Options ダイアログで,ポップアップメニューの Rendering を選び,Resolution を PostScript ファイルの作成で設定した dpi にする
PostScript ファイルを見ている状態で Export(File メニュー)しても PDF に変換できますが,Page Range(Export Options ダイアログ)で毎回 All を選ぶ必要があり,とくに画像がある場合は MacGSView の使用メモリを大きくする必要があります(エラーが出る).

MacGSView で日本語を表示するには,Ghostscript 用日本語フォントをインストール(いつのまにか画像が…)しなければなりません:

  1. gs6.0.kanji.tar.gz(2. Source: の最下行)をダウンロードして,StuffIt Expander などで展開してできたフォルダを開ける
  2. fonts フォルダを開けて,すべてのファイルを選択して,(Macintosh HD 内の起動)システムフォルダ:アプリケーションサポート:Ghostscript:fonts フォルダの中に入れる
  3. lib フォルダを開けて,Fontmap.kanji ファイルをシステムフォルダ:アプリケーションサポート:Ghostscript:lib フォルダの中に入れる
  4. システムフォルダ:アプリケーションサポート:Ghostscript:lib フォルダを開けて,Fontmap ファイルを Text エディタ(TeX のソースの編集に使っている)で開ける
  5. 3行目の (Fontmap.GS) .runlibfile の前に % を付け,(Fontmap.kanji) .runlibfile を追加,つまり,
    % (Fontmap.GS) .runlibfile
    (Fontmap.kanji) .runlibfile
  6. Fontmap ファイルを閉じる
  7. rm ResourceFork で Fontmap ファイルに Resource Fork ができていないか確認して,できていれば消去する

MacGSView のインストールで機能拡張フォルダへインストールされる GhostScriptLib PPC は INIT がないので,TeX をふだん使わない場合でも,機能拡張フォルダへ入れておいても害はありません(逆に言うと,使う時だけ入れても再起動する必要はない).

なお,画像を表示する場合の TeX のソースは,例えばヘッダを

\documentclass{jarticle}
\usepackage[dvips]{graphicx}

として,

\includegraphics{filename.eps}

とします.eps への変換は,GraphicConverter でできます.

また,「∴」「∵」「≒」「≦」などを表示するには,

\documentclass{jarticle}
\usepackage{amssymb}
\begin{document}
$
\therefore
\because
\fallingdotseq
\leqq
\geqq
\subseteqq
\subsetneqq
$
\end{document}

とします(以下のようにインストールした TeX で platex を使用時).
TeX も pkfont もよく理解していませんので,以下が正しいのかどうか分かりませんが,不具合なく使えています

TeX のインストール

  1. ptex2111bin20010613.sit.hqx を展開
  2. すると ptex2111 フォルダができるので,その中の"texmf/web2cの*.poolと入換"フォルダと readme.1st ファイルを削除
  3. ptex2111lib20010524.sit.hqx を展開(約1万個ものファイルがあるので時間がかかる)
  4. その中の texmf フォルダを ptex2111 フォルダに入れ,MakeTeXls-R は削除する(texmf フォルダ内に同じものがある)
  5. texmf フォルダ内の MakeTeXls-R をダブル・クリック(すぐに終了)
  6. xdvi20010604.sit.hqx を展開
  7. その中の xdvi を ptex2111 フォルダに入れ,他のファイル類は削除
  8. dvipsk586dp15e.sit.hqx を展開
  9. その中の dvipsk を ptex2111 フォルダに入れ(dvipsk を更新),"copy all files into dvips/base"フォルダを開けて,すべて選択して,ptex2111:texmf:dvips:base に入れる(27 個中の 24 個を更新)
pkfont のインストール
  1. ftp.ne.jp/030/mac/pTeX/pkfont
    300dpi/cx/            キヤノン製300dpiのレーザプリンタのエンジン
          /deskjet/       HP製300dpiのインクジェットプリンタ
    360dpi/canonbjc/      キヤノン製360dpiのインクジェットプリンタのエンジン
          /epstylus/      EPSON製360dpiのインクジェットプリンタ
    400dpi/OkiMicroline/  沖データ製400dpiのLEDアレイのプリンタのエンジン
    600dpi/canonex/       キヤノン製600dpiのレーザプリンタのエンジン
          /ljfour/        HP製LaserJet 4
          /okifte/        沖データ製600dpiのLEDアレイのプリンタのエンジン
    
    のうち使用プリンタと同じフォルダから cm.sit.hqx, latex.sit.hqx, logo.sit.hqx, misc.sit.hqx をダウンロード
    (cx はもともとあるのでダウンロードも以下も不必要で,その中の amsfonts と musix は不要?)
  2. ptex2111:texmf:fonts:pk フォルダを開けて,プリンタを表わす名前(deskjet や canonex など)のフォルダを作る
  3. その中に,ダウンロードした4つのファイルを展開してできた4つのフォルダを入れる
  4. texmf フォルダ内の MakeTeXls-R をダブル・クリック(終了まで少しかかる)
  5. ptex2111:texmf:web2c フォルダを開けて,texmf.cnf ファイルを Text エディタで開ける
  6. PKFONTS = ;{$TEXMF:fonts,$VARTEXFONTS}:pk:{cx,modeless}::
    を検索して,cx の部分をプリンタを表わすフォルダの名前に書き換える
  7. texmf.cnf ファイルを閉じる
  8. rm ResourceFork で texmf.cnf ファイル に Resource Fork ができていないか確認して,できていれば消去する
  9. xdvi をダブル・クリックして,View メニューから Preferences を選び,解像度を設定する
参考
Mac OS 9 で作成した TeX のソースを Mac OS X で使うには,Mac OS X の TextEdit で新規ファイルとして開き(ソースを Japanese (Mac OS) Encoding で開いて,すべて Copy して,新規ファイルに Paste),Unicode (UTF-8) Encoding で Save します.最初の行でエラーが出る場合は,¥ を back slash に置換します.
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