私が初めて買ったカートリッジは M-14LE です(1973 年,高1の夏休みにアルバイトして).当時,同級の友人が(同じアルバイトをして)GRACE F-8E を買い,近所のおじさん(当時40代後半)が SHURE V-15(TYPE II か III)を使用されていました.それらの再生音は M-14LE に比べるとベールがかかったように聴こえました.

そのおじさんは,私が M-14LE の再生音との違いをあまりに説くので,M-14LE(と SR-60)を買われましたが,しばらくして私にくださいました.一方,その友人と一緒に家電量販店のテレビ売り場(放送が映っている多数のテレビを展示)へ行ったとき,私はキリキリという感じの音が不快でした*.そう言うと,彼はけげんな顔をして,そんな音がテレビから出るはずはないし,聴こえないと言いました.お二人とも 15 KHz を超える高音域が私ほど聴こえなかったので,M-14LE の再生音がいかに違うか分からなかったと思うことにしています.

さらには,親戚のお兄さんが SATIN カートリッジの愛用者で,Violin の音をうまく再生できるのは SATIN と話されていました.Violin は高い周波数領域まで音の倍音が存在する(高次高調波を含む)楽器として知られています(ヴァイオリンの倍音はどこまで出ているか)ので,やはり,高音域をより精緻に再生できるのが SATIN カートリッジだと思います.

* 水平発振回路の部品などが振動して 15.75 KHz の音波を発していたと思われます.多くのテレビからの音波が干渉して(頭を少しでも動かすと音の強弱などが変化して)不快に感じたのでしょう.その後は,部品点数も少なくなり,部品自体も小さくなったので,音波を発していない(十分小さくなった)のか,歳のせいかは,定かではありませんが…


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