電気学会論文誌 D,109 巻 1 号
稼働時同期発電機の空げき磁束密度オンライン計測

太 田 博 文,上 田 目完 亮,上 之 園 親 佐

 同期発電機の動作は主として空げき部の磁束に支配されるので,空げき磁束の負荷時における分布状態を把握することが電力系統の安定度向上にとって重要である.ところが,発電機の動作状態を表わすものとして現在用いられている端子電圧などからは,空げき磁束の分布状態や空げき磁束と発電機動作の関係を正確にとらえることはできない.
 我々はこれまで,同期発電機の特性を空げき磁束の面から解析し,電機子歯頭部に取り付けたサーチコイルの誘起電圧をフーリエ解析することによって空げき磁束密度分布を計測する方法などを明らかにした.これらの研究成果をもとに開発した,マイクロプロセッサを用いた稼働時の同期発電機空げき磁束のオンライン計測装置と,この計測装置を種々の同期発電機に適用した方法を報告する.
 計測装置は発電機の毎極毎相溝数に応じた本数のサーチコイルを用いて空げき磁束密度を算出する.どのような構造の発電機に対してもサーチコイルなどを取り付ければ,発電機が稼働している現場でリアルタイムに空げき磁束の状態を手軽に直視できるようになった.
正誤表
 p. 39 <5.2> 節の中程
  で定義した時間点 --> で定義した時間原点

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