第 7 章 同期発電機の各巻線から見た諸定数の静止法による測定
7.1 緒言
7.2 供試発電機諸定数の測定
7.2.1 電機子巻線抵抗
7.2.2 電機子巻線自己インダクタンス
7.2.3 電機子巻線間の相互インダクタンス
7.2.4 同期インダクタンス
7.2.5 界磁巻線抵抗
7.2.6 界磁巻線自己インダクタンス
7.2.7 界磁巻線間の相互インダクタンス
7.2.8 界磁巻線と電機子巻線間の相互インダクタンス
7.3 測定結果に対する検討
7.3.1 空隙磁束密度より推定した透磁率の変化
7.3.2 測定値に対するうず電流の影響
7.3.3 従来の機器定数との比較
7.4 結言
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7.1 緒言
本章では,電圧崩壊に関する実験で用いる同期発電機の諸定数の測定について説明する.
まず,測定対象となる供試発電機について述べ,測定の方法について説明する.次に,電機子巻線の抵抗と自己インダクタンス,電機子巻線間の相互インダクタンス,界磁巻線の抵抗と自己インダクタンス,界磁巻線間の相互インダクタンス,電機子巻線と界磁巻線間の相互インダクタンスの値をさまざまな条件の下で測定した結果について述べる.最後に,巻線電流などの測定条件に対する測定値の変化について考察し,JEC-114 に定められた測定法によって測定した機器定数より換算した値と比較する.
供試発電機の回転子には,3 相の界磁巻線が回転子円周方向に均等に分布して巻かれているので,巻線形誘導電動機としても使用可能である.次章では,供試発電機を誘導電動機として用い,実験およびシミュレーションを行う.したがって,誘導電動機として使用することを考慮して,諸定数の測定を行う.
7.4 結言
本章では,Park の式に現われる諸定数の値を直接測定し,定数値の電機子電流・界磁電流に対する依存性や,回転子の回転時と静止時,および回転子の静止状態によって異なることを明らかにした.
本章で測定した同期発電機を誘導電動機として使用した電圧崩壊に関する実験,および本章で測定した諸定数の値を用いたシミュレーションについて次章で述べる.